水分摂取量を増加させることは、猫の下部尿路疾患を予防する上で重要な要素の一つとなります。
水入れをいろいろな場所に複数設置したり、容器を陶器やガラスのものに変えてみたりということは最低限試してみるのをお勧めします。
猫の場合、難しい場合も多いのですが、ウェットフードに切り替えてみるというのも非常に有効です。
またすべてウェットフードに切り替えなくても、ドライフードに加えてウェットフードをごく少量加えてあげるのもお勧めです。
しかしながらドライフードの好きな猫は少しでもフードが湿ってしうまうと食べなくなる猫も多く、そのような場合にはドライはドライの器、ウェットはウェットの器で別々で与えてみてください。
ちなみに自分の猫の場合は、先にドライを与え食べ終わって、少し時間が経ってから次にウェットを与えています。
ウェットフードを与える際に、一つコツがあるので紹介します。
画像のように、器の中心部に円錐形(ピラミッドのような感じに)にフードを盛り付けます。その周囲に池を作るようなイメージで水を入れて与えてみてください。
水の量が多すぎると食べなくなるので、試行錯誤してうまく食べてくれる量を探してみてください。
画像は、結石による尿管閉塞による水腎症を呈した猫の超音波画像になります。
猫の尿管は非常に細く非常に小さな結石でも閉塞を起こしやすいのですが、片側の尿管閉塞のみではもう片方の腎臓が正常であれば血液検査でも腎臓の数値は上昇しないため注意が必要です。
尿管が詰まると確実に痛いのですが、猫は痛みを隠す傾向がありその個体によってはほぼ無症状に近い場合さえあるので飼い主さんが症状に気づかず知らない間に腎臓がかなり悪化している場合もよくみられます。
そのような猫でも、やや元気がないなどの症状は見られるはずなので、少しでもいつもと違うように感じられましたら、病院での診察をお勧めしています。水分摂取量を増加させることは、尿管結石を予防するためにも非常に重要なのでできることから始めてみてください。